親権・監護・親子交流に関する公的統計・調査から、いまの状況と過去からの推移を出典付きで示します。数値の解釈・評価は行いません。定義や調査方法が年によって異なる場合は注記します。
- 親権の現状(人口動態統計)
- 親権の推移
- 親子交流の現状(全国ひとり親世帯等調査)
- 取り決めをしていない理由
- 実施していない理由
- 暴力・虐待を理由に挙げた割合
- 保護命令事件の処理状況
- 親子交流の推移
- 養育費の取決め・受給
- 出典一覧・読み方の注意
親権の現状(人口動態統計)
厚生労働省「人口動態統計」のうち、親権を行う子をもつ夫妻の親権者(夫-妻)別の離婚件数です。協議離婚を含む届出上の親権指定であり、家裁で親権を争った結果の勝敗割合ではありません。
2024年(令和6年) — 親権を行う子がいる離婚の合計 95,436件
| 区分 | 件数 | 構成比 |
|---|---|---|
| 妻が全児の親権 | 82,561件 | 86.5% |
| 夫が全児の親権 | 10,174件 | 10.7% |
| その他(父母で分ける等) | 2,701件 | 2.8% |
親権の推移
同じ統計の年次推移です。長期的に「妻が全児の親権」の割合が高く、「夫が全児の親権」はおおむね1割前後で推移しています。
| 年 | 妻が全児(件) | 夫が全児(件) | その他(件) | 妻の構成比 | 夫の構成比 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2000 | 126,334 | 24,445 | 6,520 | 80.3% | 15.5% |
| 2010 | 122,619 | 19,017 | 5,484 | 83.3% | 12.9% |
| 2020 | 94,291 | 13,126 | 3,918 | 84.7% | 11.8% |
| 2022 | 81,219 | 10,463 | 2,883 | 85.9% | 11.1% |
| 2023 | 81,846 | 10,037 | 2,604 | 86.6% | 10.6% |
| 2024 | 82,561 | 10,174 | 2,701 | 86.5% | 10.7% |
元データは政府統計の総合窓口(e-Stat)「人口動態調査/人口動態統計/確定数/離婚」の表「親権を行う子をもつ夫妻の親権者(夫-妻)別にみた年次別離婚件数及び百分率」等で確認できます。
親子交流の現状(全国ひとり親世帯等調査)
厚生労働省「令和3年度全国ひとり親世帯等調査」(調査基準日:令和3年11月1日)。ひとり親世帯を対象とした標本調査です。人口動態統計(届出の全数)とは母集団・定義が異なります。
親子交流(面会交流)の取り決め
| 世帯 | 取り決めをしている |
|---|---|
| 母子世帯 | 30.3% |
| 父子世帯 | 31.4% |
現在も面会交流を行っている
| 世帯 | 現在も行っている |
|---|---|
| 母子世帯 | 30.2% |
| 父子世帯 | 48.0% |
実施頻度(現在交流している場合) — 母子・父子とも「月1回以上2回未満」が最も多い(母子24.2%、父子27.7%)。
取り決めをしていない理由
厚生労働省「令和3年度全国ひとり親世帯等調査」における、親子交流(面会交流)の取り決めをしていない最も大きな理由(単一回答)です。複数回答の表とは異なります。
母子世帯(令和3年度) — 上位
| 理由 | 割合 |
|---|---|
| 相手と関わり合いたくない | 26.4% |
| 取り決めをしなくても交流できる | 16.4% |
| 相手が面会交流を希望しない | 12.0% |
| 子どもが会いたがらない | 7.5% |
| 面会交流をすることが子どものためにならないと思う | 6.3% |
| 交渉がわずらわしい | 6.0% |
| 相手から身体的・精神的暴力や児童虐待があった | 3.8% |
父子世帯(令和3年度) — 上位
| 理由 | 割合 |
|---|---|
| 取り決めをしなくても交流できる | 30.3% |
| 相手と関わり合いたくない | 17.5% |
| 交渉がわずらわしい | 9.8% |
| 相手が面会交流を希望しない | 9.8% |
| 面会交流をすることが子どものためにならないと思う | 6.7% |
| 子どもが会いたがらない | 6.2% |
| 相手から身体的・精神的暴力や児童虐待があった | 1.6% |
実施していない理由
現在、親子交流(面会交流)を実施していない最も大きな理由(単一回答)です。
母子世帯(令和3年度)
| 理由 | 割合 |
|---|---|
| 相手が面会交流を求めてこない | 28.5% |
| 子どもが会いたがらない | 16.1% |
| その他 | 16.0% |
| 不詳 | 15.9% |
| 相手が養育費を支払わない | 8.6% |
| 面会交流によって子どもが精神的又は身体的に不安定になる | 4.0% |
| 相手に暴力などの問題行動がある | 3.3% |
| 相手が結婚した | 2.9% |
| 相手が面会の約束を守らない | 2.5% |
| 塾や学校の行事で子どもが忙しい | 2.0% |
父子世帯(令和3年度)
| 理由 | 割合 |
|---|---|
| 子どもが会いたがらない | 30.4% |
| 相手が面会交流を求めてこない | 26.2% |
| その他 | 12.1% |
| 不詳 | 11.1% |
| 相手が養育費を支払わない | 7.5% |
| 相手が面会の約束を守らない | 3.6% |
| 親族が反対している | 3.5% |
| 面会交流によって子どもが精神的又は身体的に不安定になる | 3.0% |
| 塾や学校の行事で子どもが忙しい | 2.6% |
前回調査(平成28年度)との主な変化(同調査概要で比較可能な主な項目)
- 実施していない理由「相手が面会交流を求めてこない」:母子 13.5%→28.5%、父子 11.3%→26.2%
- 実施していない理由「子どもが会いたがらない」:母子 9.8%→16.1%、父子 14.6%→30.4%
令和3年度は推計値であり、平成28年度との比較には調査概要の注記どおり留意が必要です。
暴力・虐待を理由に挙げた割合
上表のうち、暴力・虐待・問題行動に関する選択肢だけを抜き出した対照です。母集団は「取り決めをしていない/実施していない」と答えたひとり親世帯です(全ひとり親世帯に対する暴力発生率ではありません)。
| 指標(令和3年度・推計値) | 母子世帯 | 父子世帯 |
|---|---|---|
| 取り決めをしていない理由「相手から身体的・精神的暴力や児童虐待があった」 | 3.8% | 1.6% |
| 実施していない理由「相手に暴力などの問題行動がある」 | 3.3% | 0.0% |
読み方の注意:回答者(多くは監護親)の自己申告です。裁判所による事実認定でも、「虚偽DV」の割合でもありません。上位理由との並びは取り決めをしていない理由・実施していない理由の全表を参照してください。
保護命令事件の処理状況
配偶者暴力防止法に基づく保護命令は地方裁判所の手続です。家裁の親権・監護・面会交流事件の統計とは母集団が異なります。
令和5(2023)年(内閣府「男女共同参画白書 令和6年版」より。原資料は最高裁判所)
| 区分 | 件数・割合 |
|---|---|
| 終局した配偶者暴力等に関する保護命令事件 | 1,455件 |
| うち認容(保護命令発令) | 1,165件 |
| 認容のうち「被害者に関する保護命令」のみ発令 | 27.4% |
| 認容のうち被害者の保護命令と「子への接近禁止命令」のみ発令 | 35.4% |
同白書の図では、認容のほか却下・取下げ等の推移も示されています。「却下」には一部却下一部取下げを含み、「取下げ等」には移送・回付等を含みます(白書備考)。
読み方の注意:却下件数は「虚偽DV」の件数ではありません。要件未充足・証拠不足・申立取下げなど、さまざまな終局が含まれます。家裁事件でのDV主張の有無・認定とは直接対応しません。
出典ページ:男女共同参画白書 令和6年版|第1節 配偶者暴力
親子交流の推移
同調査の前回(平成28年度)との比較です。調査はおおむね5年ごとです。
| 指標 | 平成28年度 | 令和3年度 |
|---|---|---|
| 母子:取り決めあり | 24.1% | 30.3% |
| 父子:取り決めあり | 27.3% | 31.4% |
| 母子:現在も実施 | 29.8% | 30.2% |
| 父子:現在も実施 | 45.5% | 48.0% |
養育費の取決め・受給(ひとり親世帯調査)
厚生労働省「令和3年度全国ひとり親世帯等調査」(推計値)。国会答弁でも同数値が繰り返し引用されています(例:衆院法務委 meeting-03)。
| 世帯 | 取決め率 | 受給率(現在も受給) |
|---|---|---|
| 母子世帯 | 46.7% | 28.1% |
| 父子世帯 | 28.3% | 8.7% |
推移(母子・取決め率):平成23年度 37.7% → 平成28年度 42.9% → 令和3年度 46.7%(国会答弁が引用する厚労省調査)。
出典一覧・読み方の注意
出典
- 厚生労働省「人口動態統計」確定数(離婚)— 親権者別にみた離婚件数。入手先:e-Stat 人口動態調査
- 厚生労働省「全国ひとり親世帯等調査」(平成28年度・令和3年度)— 親子交流(面会交流)の取り決め・実施。公表ページ:厚労省
- 内閣府男女共同参画局「男女共同参画白書 令和6年版」— 配偶者暴力等に関する保護命令事件の処理状況(原資料:最高裁判所)。第1節 配偶者暴力
読み方の注意
- 人口動態統計の親権区分は届出上の親権者であり、監護の実態や家裁判決の勝敗とは一致しません。
- 「その他」は父母で子ごとに親権を分ける場合などを含みます(共同親権制度施行前の統計上の区分です)。
- ひとり親世帯調査は標本調査です。「取り決め」と「実施」は別指標です。
- 面会交流の「理由」は調査票上の回答であり、因果の断定や個別事案への当てはめには使えません。「その他」「不詳」が大きい項目もあります。
- 令和3年度調査結果は推計値であり、前回調査との単純比較には留意が必要です(調査概要の注記)。
- 2026年4月施行の共同親権は、上記の年次表(2024年まで)には原則として反映されていません。施行後の全国集計が整い次第、追記します。
- 「暴力・虐待を理由に挙げた割合」は、取り決め/実施をしていないと答えた人の理由内訳であり、全離婚・全家裁事件に占める暴力発生率ではありません。
- 保護命令は地裁手続です。却下・取下げ等を「虚偽DV」と読み替えることはできません。家裁でのDV主張・認定の全国集計とは別指標です。
理解ガイドの 第5段(資料上言えていないこと) もあわせてご覧ください。元資料は 資料一覧 からも参照できます。
ページ更新日:2026-07-25(暴力・虐待理由の対照表・保護命令を追記。数値の出典年は各表のとおり)