民法第三百八条の二の規定による子の監護費用の先取特権に係る額の算定等に関する省令(令和7年法務省令第56号)。令和6年法律第33号が法務省令に委任した、先取特権の額と法定養育費の額を定めます。公布は令和7年12月12日。施行は改正法と同じ令和8年4月1日です。
国会審議では、具体的な額は「成立後に法務省令で定める」と答弁されていました。本省令がその委任の中身です。全文転載ではありません。正本は e-Gov と法務省の公開PDFです。
関連:令和6年改正法 / テーマ:養育費 / 令和6年国会審議(法案) / 令和8年国会審議(法務委員会)
目次
公式一次
- e-Gov(条文正本):令和7年法務省令第56号
- 法務省・省令PDF:公布文・本文
- 法務省・概要PDF:額の位置づけ
- 法務省ハブ:改正法・Q&A・省令の入口
省令が定めている額(条文)
算定の骨格だけを条文に沿って示します。個別事案への当てはめはしません。
| 対象 | 条文 | 算定 |
|---|---|---|
| 先取特権が付与される額 | 第1条(民法308条の2) | 一月当たり8万円に、定期金により扶養を受けるべき子の数を乗じた額 |
| 法定養育費の額 | 第2条第1項(民法766条の3第1項) | 2万円に、離婚時から引き続き監護を主として行う子の数を乗じた額 |
- 第2条第2項:法定養育費の日割計算の基礎(離婚日の属する月等の日数)
- 附則第1項:施行日は令和8年4月1日
- 附則第2項:施行後の状況・社会経済情勢を勘案して検討し、必要があるときは所要の措置を講ずる
法務省概要PDFの対比(改正前→改正後)です。
- 先取特権:取決めがあっても差押えには債務名義が必要だった → 一定額までは債務名義がなくても差押えでき、一般債権者に優先して弁済を受けられる
- 法定養育費:取決めがなければ請求できなかった → 取決めがなくても離婚時から一定額を請求できる(暫定・補充)
国会一次(額の委任と、額が出た後の言及)
評価ラベルは付けません。額の当否は会議録の発言者の見解であり、運営の見解ではありません。
- 衆院法務委 2024-04-09(meeting-06)/竹内努(法務省民事局長):先取特権の具体的水準は成立後の法務省令で定めるため、当時は答えられないと答弁 — 一次
- 参院法務委 2026-03-24(法務委)/泉房穂:法定養育費として「取決めなくても二万円はあり得る」と述べ、立替払の検討を求める — 一次
関連する公式解説(省令そのものではない)
- 法務省 Q&A(民法編):閲覧用 / PDF
- 法務省 Q&A(行政手続・支援編):閲覧用 / PDF
- 裁判所:養育費等のワンストップ執行手続
Q&Aは関係府省庁等連絡会議の解説資料です。法令の代替ではありません。
注意
- 先取特権の8万円は、取り決められた養育費の全額に優先が付く上限であり、法定養育費の2万円とは別の額です
- 法定養育費は、父母の生活水準に即した取決め等があるまでの暫定・補充です(国会答弁・法務省概要)。算定表の代替ではありません
- 施行日前に離婚した場合の法定養育費の適用関係は改正法の経過措置によります。個別事案への当てはめはしません
- 附則の「検討」は、見直しを義務付ける期限付き条項ではありません
- 運営評価ラベルは付けません