第219回国会 参議院法務委員会 第3号(令和7年11月27日)

目次

開催概要

  • 開催日:令和7年11月27日
  • 国会:第219回国会
  • 会議:参議院法務委員会 第3号
  • 位置づけ:令和7年国会審議(法務委員会)

この回のポイント

令和7年の法務委員会。共同親権・親子交流・面会交流・養育費等に言及した質疑。(開催日: 2025-11-27)

このページは共同親権・親子交流・面会交流・養育費等に言及した発言を中心に編纂抜粋しています。同日の他議題は必要に応じて除外しています。

発言

各発言は「要旨」(編纂による言い換え要約)と「原文抜粋」(会議録からの短い引用)を分けて示します。評価や賛否の断定はしません。全文は国会会議録のリンクで確認してください。

この回の発言者(人物)

古庄玄知

所属・肩書

自由民主党

発言要旨(要約)

養育費の不履行への対応(履行確保・立替え等)について質問した。

原文抜粋

本日は、養育費不払問題について質問させていただきたいと思います。 我が国では、一年間に婚姻する件数は、二〇二四年が十四・五万組であります。これに対して離婚件数は十八・五万組です。婚姻した夫婦の三分の一以上が離婚をしているというのが日本の現状です。 子供のいる夫婦が離婚をする場合、財産分与や親権の問題に加え、養育費の点が問題となります。離婚の際に養育費の取決めをしているのは、母子家庭で四六・七%です。しかしながら、取決めをしても途中で支払がなくなるのが圧倒的に多く、母子世帯の貧困率は四四・五%です。これはOECD諸国の中でも最悪水準になっております。

(会議録 p.1)

国会会議録(当該発言)

松井信憲

所属・肩書

法務省民事局長

発言要旨(要約)

養育費の定め方・確保に関する論点に触れた。

原文抜粋

養育費の支払義務を負う親が養育費の支払をしない場合には、養育費債権を有する親は民事執行の申立てをすることが考えられます。 現行法の下で、民事執行の対象となるべき債務者の財産が特定できない場合には、債務者の財産を特定するための情報を得るため、財産開示手続、具体的には、債務者を裁判所に呼び出し、債務者に自分の財産についての情報を陳述させるという手続がございます。また、債務者の給与等に関する情報を保有する第三者から情報提供を受ける、第三者からの情報取得手続の申立てというものもございます。 以上です。

(会議録 p.1)

国会会議録(当該発言)

古庄玄知

所属・肩書

自由民主党

発言要旨(要約)

養育費の履行確保の仕組みについて説明した。

原文抜粋

次の質問に行きます。 母子家庭の貧困率が高い大きな理由は、養育費を支払義務者から受け取っていないからです。結果、養育費を受け取っていない母子家庭は生活保護や児童扶養手当などという公的支援に依存しております。本来支払うべき養育費支払義務者が支払を免れ、代わりに国民の税金が使われていると言っても過言ではありません。 そもそも差押えの手続による回収には限界があります。パート等で働いている母子家庭の母親がパートを休んで弁護士事務所に相談に行くことすら大変な上、弁護士も、この種の事件はお金にならないためやりたがりません。

(会議録 p.2)

国会会議録(当該発言)

松井信憲

所属・肩書

法務省民事局長

発言要旨(要約)

養育費の履行確保の仕組みについて説明した。

原文抜粋

令和二年四月に公表した父母の離婚後の子の養育に関する海外法制についての調査結果によれば、養育費の不払に制裁を科す外国の例として、例えばブラジルにおいては、当事者の訴えにより、裁判官が債務者に養育費の支払を命じ、三日以内の支払又は支払が不可能であることの証明がないときは拘留を命じ、支払が行われたときは釈放するという民事訴訟法上の仕組みがあるものと承知しています。

(会議録 p.2)

国会会議録(当該発言)

松井信憲

所属・肩書

法務省民事局長

発言要旨(要約)

養育費の履行確保の仕組みについて説明した。

原文抜粋

例えば刑罰の導入について考えますと、一般に、民事上の債務の不履行それ自体に対して刑罰を科している例に乏しく、そのような制度の導入については、なぜそれが養育費の不払の場合のみについて妥当するのかですとか、我が国の法制上の観点から整合的かという見地から検討を要すると考えております。

(会議録 p.2)

国会会議録(当該発言)

古庄玄知

所属・肩書

自由民主党

発言要旨(要約)

養育費の履行確保の仕組みについて説明した。

原文抜粋

養育費不払対策として国の方もいろいろとこれまで法整備をしてくれておりますけれども、現場を知る人間としては、財産の差押えをメインとする対策にはおのずと限界があるのではないかというふうに思っております。是非、それに加えて、罰則、制裁を取り入れてもらいたいというふうに考えております。それが養育費不払で貧困にあえいでいる母子家庭のお母さん方の切なる望みであるということを是非法務省及び法務大臣には認識していただいて、前向きに、積極的に検討していただきたいと思います。 時間前ですが、以上で終わります。

(会議録 p.2)

国会会議録(当該発言)

打越さく良

所属・肩書

立憲民主・社民・無所属

発言要旨(要約)

養育費の定め方・確保に関する論点に触れた。

原文抜粋

最近の物価高は、一人親家庭をも直撃しています。そして、離婚後の養育費の金額ですけれども、家裁実務ではいわゆる算定表というものが参考にされているんですが、この算定表ではもう非常に養育費が低くなってしまうと、子供の福祉に反するということも日弁連などから繰り返し批判をされてきました。それでもこの批判というものは一顧だにされてきていないと。 それで、十一月二十五日に、私も一員である子どもの貧困対策推進議員連盟の方から、子供の貧困、これに胸を痛めて支援をなさっている団体、幾つかの団体からお話を伺いました。本当に大変な状況で、物価高の中で、子供たちが食事を減らす。

(会議録 p.2)

国会会議録(当該発言)

馬渡直史

所属・肩書

最高裁判所事務総局家庭局長

発言要旨(要約)

養育費の定め方・確保に関する論点に触れた。

原文抜粋

この標準算定方式というものは、父母の収入、子の年齢、人数等を前提に、公租公課、その他の諸費用などを勘案して標準的な養育費等を算出するものでありますことから、その改定の要否や時期につきましては、委員御指摘の物価高や生活費の上昇のみならず、様々な社会経済状況の変化のほか、実務における安定的な運用の要請等についても総合的に考慮した上で検討される事柄であると考えているところでございます。

(会議録 p.3)

国会会議録(当該発言)

打越さく良

所属・肩書

立憲民主・社民・無所属

発言要旨(要約)

審議中の論点についての見解を述べた。

原文抜粋

そしてまた、古庄委員が先ほど御指摘なさったとおり、立替払とかあるいは不払について罰則など、そうしたことも検討すべきだと考えまして、立憲民主党の会派としても、立替払制度について法案も提出させていただいておりますので、是非参考にして、法務省におかれては参考にしていただきたいと考えます。 では、次の質問に移ります。 最高裁におかれては、これで質問は終わります。

(会議録 p.3)

国会会議録(当該発言)

横山信一

所属・肩書

公明党

発言要旨(要約)

審議中の論点について、施行・運用に触れる事例を紹介した。

原文抜粋

次に、ヘイトスピーチについて伺ってまいります。 ヘイトスピーチ解消法が施行されて明年で十年になります。出入国在留管理庁による調査では、ヘイトスピーチの経験のある外国人の割合は、受けたことがあるが一二・七%、受けたことはないが見聞きしたことはあるが三一・六%でした。これらのうち、インターネット上によるものが六五・五%と最も多い結果でした。 法務省では、来年度に、ネット上のヘイトスピーチに関する全国規模の実態調査を行う予定だと聞いております。調査手法については外部有識者による検討が始められていると聞いていますが、どのように取り組むのか。

(会議録 p.8)

国会会議録(当該発言)

嘉田由紀子

所属・肩書

日本維新の会

発言要旨(要約)

養育費の確保・履行の仕組みについて質問した。

原文抜粋

十分の時間をいただきましたので、来年四月一日に施行が決まった離婚後の共同親権が選択できるようになる、その手続などについて質問させていただきます。 今回の質問も全国の当事者や関係の皆さんが見ておりますので、答弁は分かりやすくお願いをいたします。 先ほど来、古庄議員、また打越議員御指摘のように、日本では婚姻数の三分の一の離婚案件がありますが、そのうち九割はいわゆる協議離婚です。親子交流や養育費の取決めがなくても離婚が言わば紙切れ一枚で成立するという、国際的に見ると極めて異例な制度です。

(会議録 p.10)

国会会議録(当該発言)

松井信憲

所属・肩書

法務省民事局長

発言要旨(要約)

養育費の定め方・確保に関する論点に触れた。

原文抜粋

現在パブリックコメント中の戸籍法施行規則の改正案におきまして、資料一の離婚届書の様式の改正については、まず、大きく分けて次の三つの項目に関し欄を追加することを検討しております。 一つ目は、左下の未成年の子の氏名の欄のうち、父母双方が親権を行う子を記載する欄及び一番下の親権者の指定を求める家事審判又は家事調停の申立てがされている子を記載する欄の追加です。

(会議録 p.10)

国会会議録(当該発言)

松井信憲

所属・肩書

法務省民事局長

発言要旨(要約)

親権、子の利益について、合意形成の可否・子の利益の点を説明した。

原文抜粋

離婚後の親権者の定めについては、子の利益を確保するため、父母の真意に基づかない合意がされることを防ぐ必要があると考えております。 御指摘のチェック欄は、離婚後の親権者の定めが父母の双方の真意に出たものであることを確認するための法制上の措置として、改正民法の附則の趣旨も踏まえて新たに設けることを検討しております。 そのため、御指摘の欄にチェックがなかった場合には、市区町村の担当者から、チェックのなかった離婚当事者に対し、離婚後の親権者の定めが父母の双方の真意に出たものであることの確認を行うということになると考えております。

(会議録 p.10)

国会会議録(当該発言)

嘉田由紀子

所属・肩書

日本維新の会

発言要旨(要約)

養育費の確保・履行の仕組みについて質問した。

原文抜粋

あわせて、三点目ですけど、この下の欄、親子交流、子育ての分担、養育費の分担の取決めの有無を尋ねるチェック欄があります。改正民法では監護の分掌となっていた、その言葉を子育ての分担というように分かりやすい表現にしていただいた、ここは当局の工夫に感謝を申し上げたいと思います。 ただ、それぞれにここもチェックがなかった場合、また決めてないという場合、現場の窓口どう判断したらいいでしょうか。

(会議録 p.10)

国会会議録(当該発言)

松井信憲

所属・肩書

法務省民事局長

発言要旨(要約)

養育費の定め方・確保に関する論点に触れた。

原文抜粋

親子交流や養育費の分担についての取決めを促進するため、平成二十四年から通達に基づく運用として離婚届書に親子交流や養育費の取決めの有無を尋ねるチェック欄を設けており、現在、今回の改正を検討しているところでございます。 現行法下では、このチェック欄に関してチェックがない場合や親子交流等についてまだ決めていないにチェックがある場合でも離婚届を受理する扱いとしております。

(会議録 p.10)

国会会議録(当該発言)

嘉田由紀子

所属・肩書

日本維新の会

発言要旨(要約)

親子交流、最善の利益について、子の利益・施行・運用に言及した。

原文抜粋

ここ是非、入口として戸籍担当でまずは問題を把握していただいて、そして、それぞれの市あるいは町村、東京都内の場合二十三区ですね、の横串を刺していただけたらと思っております。 最後に、法務大臣に、この千七百四十一基礎自治体で真に子供の最善の利益が実現できるよう、今、全国知事会からも要望いただいております。全国市長会、町村会、特別区長会からは直接要望いただいていないんですが、自治体の首長さんの理解が大変重要なんです。

(会議録 p.11)

国会会議録(当該発言)

仁比聡平

所属・肩書

日本共産党

発言要旨(要約)

父母の合意がない場合でも裁判所が共同親権を定めうる点について、手続や争いの増え方を尋ねた。

原文抜粋

今日は、離婚後共同親権とDVについてお尋ねしたいと思います。 父母が離婚後共同親権ないし共同養育を合意できないという場合があると。このときに子供の利益をどう考えるかというのが、改正八百十九条の七項が適用される場面ということになるんだと思うんですね。この点について、子供の成長発達にとって安全、安心を与えてくれる養育者、同居者、同居親との安定した環境が守られることが最も重要という知見について、法案審議の際にも繰り返し指摘をしてまいりました。 資料の一枚目御覧いただきますと、改めて、二〇二二年六月二十五日の日本乳幼児精神保健学会の声明を御覧いただいています。

(会議録 p.13)

国会会議録(当該発言)

松井信憲

所属・肩書

法務省民事局長

発言要旨(要約)

DV等への配慮と親権判断の関係について説明した。

原文抜粋

離婚後の親権者の定めについて、父母の協議が調わない理由には様々なものが考えられます。そこで、改正法は、裁判所が父母双方を親権者と定めることができる場合を父母の合意がある場合に限定はしてはおりません。裁判所が、子の利益のため、父母と子の関係、父と母との関係その他一切の事情を考慮して離婚後の親権者を定めることとしております。 もっとも、委員御指摘のとおり、子が安全、安心な環境で養育されることが子の心身の健全な成長にとって重要であるというふうに考えております。

(会議録 p.13)

国会会議録(当該発言)

仁比聡平

所属・肩書

日本共産党

発言要旨(要約)

DV等がある場合の共同親権・親権判断の扱いについて質問した。

原文抜粋

改めて、この八百十九条の七項が、子供に対する虐待はもちろんですが、父母どちらか一方のDV、これを必要的単独親権にしている理由は、この条文上も明らかなとおり、子の利益を害するからなんですよね。DVは子の利益を害するという、このことをしっかり裁判所は判断しなきゃいけないと思うんです。 そこでお尋ねをしたいんですが、これまでの、つまり現行民法に基づく調停や裁判の中で、離婚それから子の養育をめぐって、極めて高い葛藤の紛争があります。

(会議録 p.13)

国会会議録(当該発言)

松井信憲

所属・肩書

法務省民事局長

発言要旨(要約)

親子交流、DVについて、安全確保の点を説明した。

原文抜粋

一般論として申し上げれば、親子交流の実施に当たっては、子や監護親の安全、安心の確保が必要不可欠でありまして、夫婦間の暴力やDVの有無というものはその際の重要な考慮要素になるものと考えております。

(会議録 p.14)

国会会議録(当該発言)

仁比聡平

所属・肩書

日本共産党

発言要旨(要約)

DV等がある場合の共同親権・親権判断の扱いについて質問した。

原文抜粋

これまでの法務委員会の法案やこの委員会での議論で、法務省民事局は、DVの本質が支配であるということをお認めになっています。改めて、大臣がその点をどう捉えておられるかということと、今申し上げているような、DVの主張を認めず否定してしまう、事実上否定してしまうというようなことになってしまったら、それは裁判の手続なりあるいはこの離婚後共同親権の取組が支配の継続に加担するということになってしまうのではないか。離婚がやっと成立したのに、その後、共同親権だということでDV被害当事者が逃げられなくなってしまうということになってしまうのではないか。

(会議録 p.14)

国会会議録(当該発言)

松井信憲

所属・肩書

法務省民事局長

発言要旨(要約)

親権について説明・答弁した。

原文抜粋

委員御指摘のような事情によって父母間に様々な力の差を背景として一方的に他方を支配するような関係が認められるような場合には、父母が共同して親権を行うことが困難であると言えるものと考えられますので、父母の一方が親権者と定められることになるものと考えております。

(会議録 p.14)

国会会議録(当該発言)

一次資料

令和7年国会審議(法務委員会)国会審議(年度一覧)令和6年国会審議(法案)

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