離婚後の共同親権(父母双方を親権者と定めうる制度)に関する法令・公的統計・審議会資料などを、一次資料の読む順番(5ステップ)で整理します。運営の意見表明ではありません。
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1. 現象 — 公的調査・統計で見えること
改正前の運用では、離婚後の親権は一方の親に定められることが通例でした。公的統計で確認できる範囲を、まず数値で置きます。
親権者別にみた離婚(人口動態統計)
2024年(令和6年) — 親権を行う子がいる離婚の合計 95,436件(厚生労働省「人口動態統計」確定数)
- 妻が全児の親権:82,561件(86.5%)
- 夫が全児の親権:10,174件(10.7%)
- その他(父母で分ける等):2,701件(2.8%)
構成比は当サイトで合計から算出。長期的にも「妻が全児の親権」の割合が高く、「夫が全児の親権」はおおむね1割前後で推移しています(詳細は推移表)。
読み方の注意:これは届出上の親権指定であり、家裁で親権を争った結果の勝敗割合ではありません。監護の実態とも一致しません。「その他」は共同親権制度施行前の統計区分です。2026年4月施行後の全国集計は、整い次第追記します。
2. 条文・通達・運用
この段は、改正民法・公式解説・裁判所手続の規範と説明への入口です。条文の解釈や個別事案への当てはめは行いません。
A. 民法等の一部を改正する法律(令和6年法律第33号)
父母の離婚後等の子の養育に関する見直し(共同親権・養育費・親子交流等)。令和8年4月1日施行。
- 当サイト法令ページ:民法等改正(令和6年法律第33号)
- 条文正本(e-Gov):民法(明治29年法律第89号)(改正反映後を確認)
B. 法務省の公式解説・Q&A
法務省の説明では、家庭裁判所が親権者を定める手続において、虐待のおそれ、DVのおそれその他により共同して親権を行うことが困難と認められるとき、その他父母双方を親権者と定めることにより子の利益を害すると認められるときなどには、必ず単独親権の定めをするとされています(表現は公式資料に依拠。詳細は法令ページ・Q&Aへ)。
C. 裁判所の手続説明
- 裁判所:離婚後の親権者の定めに関する手続等
- 当サイト団体ページ:裁判所 / 法務省
この段で置かないこと:個別事案での「共同/単独どちらになるか」の予測、勝敗の指南、運営による制度評価。
→ 法令一覧 / テーマDV 第2段(単独親権事由との交差) / 理解ガイド第2段
3. 経緯(立法・審議会)
共同親権導入に至る主な転換点を、年表・審議会資料・法令ページへつなぎます。詳細な議事は各回の議事録PDF(一次資料)を参照してください。
読む順番(例)
- 年表で転換点を俯瞰する
- 親子法制部会の議事録・中間試案(懲戒権・嫡出等と並行した審議の入口)
- 家族法制部会以降の要綱・法案・成立・施行
- 法務省の改正法解説で制度の公式説明を確認する
転換点(年表)
| 時点 | できごと | リンク |
|---|---|---|
| 2011-04〜05 | 民法等改正法案に対する附帯決議(離婚後共同親権・共同監護の検討に言及) | 年表 / 国会審議 / 附帯決議本文 |
| 2019-07 | 法制審議会 民法(親子法制)部会 第1回 | 年表 / 資料一覧 |
| 2022-10〜12 | 令和4年改正の国会審議・成立(懲戒権・嫡出推定等。共同親権とは別法) | 成立 / 法令 / 法令索引 |
| (家族法制部会) | 法制審議会 家族法制部会 第1回 | 年表 |
| (閣議決定) | 民法等の一部を改正する法律案を閣議決定・国会提出 | 年表 |
| 2024-05頃 | 改正法成立(共同親権制度を導入) | 年表 |
| 2024 | 令和6年法律第33号として公布 | 年表 |
| 2026-04-01 | 改正民法等施行(共同親権制度開始) | 年表 |
審議会・資料(一次)
国会論議(一次データの入口)
平成23年法律第61号の附帯決議(共同親権・共同監護の検討等)、令和4年法律第102号(懲戒権/嫡出推定等)、共同親権本体の令和6年法律第33号の会議録入口はいずれも整備済みです。
4. 人物・団体の公式主張
この段は、誰が公式に何を掲げ/提出してきたかを、公式自己規定と一次資料リンクで束ねる入口です。運営による評価ラベル(例:「共同親権推進派」)は付けません。
読む順番
- 制度を所管・説明する省庁・裁判所の公式ページ
- 意見書・声明を出している団体の公式文書(タイトル・日付で索引)
- 審議会委員等の人物マスタ(名簿時点の事実+部会発言リンク)
省庁・裁判所
団体の意見書・声明(索引)
主張の要約・賛否は書きません。必要なら原文を読んでください。
- 日本弁護士連合会(日弁連)
- 2024-02-16:家族法制の見直しに関する要綱についての会長声明
(今後)他団体の意見書・パブリックコメント提出物も、公式URLが確認できたものから同様に索引化します。
人物(審議会委員等)
法制審議会 民法(親子法制)部会の委員等名簿(令和4年1月11日現在)を原料に人物ページ化しています。各人物ページから、第1〜25回の会議資料上の発言要旨へリンクしています。
この段で置かないこと:団体・人物への支持/批判、影響力の断定、「どちらが正しいか」。
5. 残争点/資料上言えていないこと
この段は、資料上まだ言えないこと・定義が違うと読み替えられないことを明示する場所です。ここに運営の「正しい答え」は書きません。
統計で言えないこと
- 人口動態統計の親権区分は届出上の指定であり、家裁判決の勝敗・監護実態ではない
- 改正法施行(2026年4月)後の共同/単独の全国集計は、公的統計が整うまで追えない
- 「その他(父母で分ける等)」を改正後の共同親権件数と同一視できない
制度・手続で混同しやすいこと
- 協議離婚での親権の定めと、家裁審判・調停での親権者の定めは手続が異なる
- 保護命令(地裁・DV防止法)と親権者の定め(家裁・民法)は別手続(→ テーマDV 第5段)
まだ薄い/未収録の一次資料
- 国会答弁の個別引用(公式会議録へのリンク整備途上)
- 他団体の意見書・パブリックコメント提出物の索引
- 施行後の運用通達・家裁運用の全国集計
解釈が分かれうる問い(運営は断定しない)
- 「子の利益」の具体的な当てはめ(個別事情による)
- 共同親権と日常の監護・居所指定・医療同意などの分担の実務像
- DV・虐待のおそれがある場合の単独親権判断の境界(公式は説明資料・Q&Aを参照)