会議日
開催概要
- 開催日:令和4年11月8日
- 国会:第210回国会
- 会議:衆議院法務委員会 第5号
- 対象法律案:民法等の一部を改正する法律案(のち令和4年法律第102号)
この回のポイント
衆議院法務委員会。民法等改正案の参考人招致・質疑。
このページは親子法制(民法等の一部を改正する法律案)の審議区間のみを抜粋しています。同日の他法律案の発言は含みません。要旨は短い整理、原文抜粋は会議録からの短い引用です。
主な論点
- 懲戒権に関する規定の見直し(削除等)
- 嫡出推定制度の見直し
- 女性の再婚禁止期間の廃止
- 嫡出否認・出訴期間等
- 無戸籍問題への対応
発言
各発言は「要旨」(編纂による言い換え要約)と「原文抜粋」(会議録からの短い引用)を分けて示します。評価や賛否の断定はしません。全文は国会会議録のリンクで確認してください。
この回の発言者(人物)
伊藤忠彦
所属・肩書
自由民主党
発言要旨(要約)
審議中の論点について説明・答弁した。
原文抜粋
内閣提出、民法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 本日は、本案審査のため、参考人として、学習院大学法務研究科教授大村敦志君、東北大学大学院法学研究科教授久保野恵美子君及び弁護士近藤博徳君、以上三名の方々に御出席をいただいております。 この際、参考人各位に委員会を代表して一言御挨拶を申し上げます。 本日は、御多忙の中、御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。それぞれのお立場から忌憚のない御意見を賜れれば幸いでございます。 次に、議事の順序について申し上げます。
(会議録 p.1)
大村敦志(参考人)
所属・肩書
学習院大学法務研究科教授/参考人
発言要旨(要約)
親権、同意について、原則と例外の点を説明した。
原文抜粋
本日は、このように意見を申し述べる機会をいただきまして、誠にありがとうございます。 法制審議会の民法(親子法制)部会の部会長を務めさせていただいておりましたけれども、本日は、その審議に参加した一研究者としての個人的な意見を申し上げさせていただきたいと存じます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。 今回の民法改正は、一方で、未成年の子に対する親権に関する見直しを、他方で、実の親子関係の成立ないし確定に関わる見直しを内容とするものでございます。
(会議録 p.1)
久保野恵美子(参考人)
所属・肩書
東北大学大学院法学研究科教授/参考人
発言要旨(要約)
親権と監護の関係について説明した。
原文抜粋
今日は、このような場で意見を申し上げる機会をいただきまして、誠にありがとうございます。 法制審議会民法(親子法制)部会にも幹事として参加しておりましたけれども、本日は、民法改正案に対して研究者としての意見を申し上げたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
(会議録 p.2)
近藤博徳(参考人)
所属・肩書
弁護士/参考人
発言要旨(要約)
修正案・附帯決議に関連する審議上の確認を行った。
原文抜粋
日本弁護士連合会の人権擁護委員会難民国籍特別部会の特別委嘱委員であります。また、特定非営利活動法人JFCネットワークの役員でもあります。 本日は、意見陳述の機会をいただきまして、ありがとうございます。 今日は、今国会で改正が審議されています国籍法三条三項の新設について意見を申し上げます。 私たち弁護士有志は、国籍法三条の改正について、十月二十七日付の意見書を作成し、共同提案団体とともに発表し、委員の皆様にもお届けをしております。 私の発言の趣旨を最初に申し上げますと、提案されている国籍法三条三項の新設には反対するという内容です。
(会議録 p.4)
大村敦志(参考人)
所属・肩書
学習院大学法務研究科教授/参考人
発言要旨(要約)
親権、懲戒についての見解を述べた。
原文抜粋
議員御指摘のように、二〇一一年の改正の際には、懲戒権の規定についての削除は、検討されましたけれども実現には至りませんでした。その際には、懲戒権を削除することに対する懸念というものもございまして、それに配慮したというところもございます。 これも議員御指摘のとおり、その後、懲戒権を口実とした虐待等というものが減らないというような御指摘がありまして、そうした認識が社会に浸透してきたというふうに理解をしております。児童福祉関係の立法の方もそのような考え方に基づいて改正がなされている、それを踏まえて、今回、削除に踏み切ったというのが一つでございます。
(会議録 p.6)
藤原崇
所属・肩書
自由民主党
発言要旨(要約)
親権、懲戒について、施行・運用に言及した。
原文抜粋
百二十年前、まさしく民法ができてから基本的なラインが変わっていないのと同時に、時代に即してということで今回は懲戒権がなくなったということで、よく内容は分かりました。 そういう中で、久保野参考人にお聞きをしたいのは、今回、親権の内容についても、人格の尊重であるとか年齢や発達の程度に配慮というようなことが入ったということなんですが、この運用のというところであったんですが、やはり、では法律を変えたからそれでいいかというと、現場現場で、お父様、お母様、あるいは養親子、養親関係もあると思うんですが、そういう方々が、では実際、そういう考えに基づいてしっかり親権を行使…
(会議録 p.7)
平林晃
所属・肩書
公明党
発言要旨(要約)
参考人の指摘を踏まえ、法案上の論点を確認した。
原文抜粋
本日は、三人の先生方におかれましては、貴重な御意見を聞かせていただきまして、大変にありがとうございます。 私、長い間、これまでずっと、法ではなくて工の、工学の分野で生きてまいりましたもので、法学については本当に初学者の立場からの質問ということで、御指導いただければというふうに思います。よろしくお願いいたします。 時間の許す限りになりますが、主に嫡出推定制度について大村参考人にお伺いできればと思っておりまして、その後、懲戒に対する考え方と無国籍条項に関しても、可能な範囲で久保野参考人、近藤参考人にお聞きできればと思っております。
(会議録 p.8)
平林晃
所属・肩書
公明党
発言要旨(要約)
参考人の指摘を踏まえ、法案上の論点を確認した。
原文抜粋
父は婚姻が定める、指し示す、そのことが子にとって利益が非常に大きいというお考えであるというふうにお伺いをいたしました。 その上で、今、婚姻の成立から二百日、また、取消しから三百日、こういう規定があるわけですけれども、この二百日と三百日という期日に関して素朴な疑問を感じている部分もありまして、教えていただければと思うんですが、二百日は恐らく早産、三百日は恐らく晩産というんですか、遅い出産の日数で決められているというふうに理解をしております。
(会議録 p.8)
平林晃
所属・肩書
公明党
発言要旨(要約)
懲戒に言及した。
原文抜粋
様々教えていただきまして、引き続きよくこの今回の改正案について思索してまいります。 続いて、懲戒権に関しまして、久保野参考人に伺えればというふうに思います。 学校教育法第十一条では、校長及び教員が、教育上必要があると認めるときは、児童生徒及び学生に懲戒を加えることができる、ただし、体罰を加えることはできない、こう規定をされていると認識をしております。 今回の改正案では懲戒そのものを否定しておりまして、体罰も含めてと認識しますけれども、懲戒を否定しているということと認識をしております。
(会議録 p.9)
近藤博徳(参考人)
所属・肩書
弁護士/参考人
発言要旨(要約)
修正案・附帯決議に関連する審議上の確認を行った。
原文抜粋
平成二十年の大法廷判決を受けて、平成二十年に国会で国籍法三条が改正されまして、それ以前は、準正の成立、認知プラス両親の婚姻が要件だったのが、両親の婚姻という要件が外されて、認知があれば国籍取得ができるというふうに変わりました。 ただ、その改正の過程で、偽装認知による不正な国籍取得がされるのではないか、その懸念が大きいということが、大変な大きな御意見がありまして、国会の審議で、法条文そのものは認知により国籍取得されるというふうになりましたが、附帯決議で、偽装認知による国籍の不正な取得がないように審査には慎重に期するという、たしかそうでしたかね、あの附帯決議…
(会議録 p.9)
鎌田さゆり
所属・肩書
立憲民主党・無所属
発言要旨(要約)
審議中の論点についての見解を述べた。
原文抜粋
この法律が新設されることによってのメリット、デメリットというか、光と影の部分については、委員会で我々はきちんと審議をしなければいけないんだなということを改めて認識をいたしました。 最後に、大村先生と近藤先生に、時間の許す限りなんですが、UNHCR、国連の難民高等弁務官事務所が、今回の民法改正を、無戸籍者を減らすということ、終止符を打つためにこの改正は非常に歓迎するという声明を出していますね。
(会議録 p.11)
大村敦志(参考人)
所属・肩書
学習院大学法務研究科教授/参考人
発言要旨(要約)
懲戒について説明・答弁した。
原文抜粋
議員の御質問の中にもございましたし、私の陳述の最後にも申し述べましたけれども、現在、離婚後の養育などを中心とした次の改正についての検討もしているところでございます。 私、この家族法の立法について、多少その原案作成に関与している者として考えていることが一つございまして、それは、この家族の問題は国民全ての方々が関心を持っている問題であって、簡単にどれかの考え方で割り切るというのは非常に難しいものだということでございます。様々な考え方を参照しつつ、少しずつその改正というのを進めていくということが大事なのではないかというふうに思っております。
(会議録 p.12)
近藤博徳(参考人)
所属・肩書
弁護士/参考人
発言要旨(要約)
嫡出について説明・答弁した。
原文抜粋
私が実務をしながら感じていますのは、今回も問題になっております婚内子と婚外子の扱いの違い、差別と言うとちょっと言い過ぎかもしれませんが、扱いの差異をなるべく少なくしていく方向であるべきではないか、また、家族関係における男性と女性の間の扱いの違いもなるべくなくしていくべきではないか、そういう方向にあるべきではないかというふうに考えているのが一つ。 それから、直接民法の問題ではないんですが、家族と密接に関わる問題として戸籍の問題があるというふうに感じています。
(会議録 p.12)
久保野恵美子(参考人)
所属・肩書
東北大学大学院法学研究科教授/参考人
発言要旨(要約)
子の利益、嫡出について、子の利益に言及した。
原文抜粋
また、再婚禁止期間につきましては、確かに女性のみが再婚に制限がかかるという意味での深刻性は大きいものの、最高裁判例などでも議論されましたとおり、やはり嫡出推定制度を維持する以上は結びついて出てくる結論だった面があると思っておりまして、過剰な面は最高裁判例の後にすぐに改正がされておりますので、嫡出推定制度を根本的に変えることは子の利益との関係で慎重に、まさに今回行っているような議論が必要なところだったわけですので、こちらは嫡出推定制度と一緒に今回ということで、遅過ぎたとは言えないのではないかというふうに思っております。 以上です。
(会議録 p.13)
鈴木義弘
所属・肩書
国民民主党・無所属クラブ
発言要旨(要約)
参考人の指摘を踏まえ、法案上の論点を確認した。
原文抜粋
それを受けて、今回の民法の改正の中で、そもそもの話をさせていただきたいんですけれども、一つは、嫡出推定制度を、今も取り入れて、民法の改正になるんですが、これは審議会の中でも議論があったと思うんですけれども、DNA鑑定だとかミトコンドリアを測定することによって、すごい確度が上がるぐらいの、親子関係が分かる時代になってきました。自分の父方をたどっていこうとすればDNA鑑定、母方をたどっていこうと思えばミトコンドリアでそれをたどっていくことができる時代になったんですね。
(会議録 p.14)
大村敦志(参考人)
所属・肩書
学習院大学法務研究科教授/参考人
発言要旨(要約)
嫡出について説明・答弁した。
原文抜粋
親子関係を確定するのに、嫡出推定ですとか認知といった制度によらずに、議員御指摘のような科学技術を用いていくというのは一つのあり得る考え方であろうと思います。 しかし、嫡出推定や認知というのは、そうした生物学的なと申しますか、あるいは遺伝上の親子関係ということに立ち入ることなく、親と子の関係ということを決めることができる、そういう制度である、そういう制度として、私どもがこれを受け入れてきたんだろうというふうに思っております。
(会議録 p.14)
大村敦志(参考人)
所属・肩書
学習院大学法務研究科教授/参考人
発言要旨(要約)
嫡出についての見解を述べた。
原文抜粋
子供、立法の関係者である子供の意見を立法に際して聞く必要があるのではないかという御指摘であるというふうに了解をいたしました。 議員御指摘のように、例えば今回の嫡出否認の問題などですと、多くの場合、幼児、小さな子が問題になりますので、意見を聞くには適しないという場合もございます。他方で、一定の年齢以上の子供さんの意見を聞くべき場合があるというのも、議員御指摘のとおりだろうと思います。
(会議録 p.14)
大村敦志(参考人)
所属・肩書
学習院大学法務研究科教授/参考人
発言要旨(要約)
懲戒についての見解を述べた。
原文抜粋
懲戒権につきましては、一方でこれを削除することの当否ということが検討されましたが、議員御指摘のとおり、積極的な規定を入れる必要があるのではないかということが、ある段階から議論されるようになりまして、最終的に、先ほど御指摘のような規定を置くことができたというふうに理解をしております。途中までは、やはり懲戒権を削除できるかどうかということに重点を置いて議論をしておりましたけれども、それについて法制審の中でほぼ意見がまとまったという段階で、更にもう一歩進めないかということが中心的な話題として浮上してきた、このように理解をしております。
(会議録 p.15)
本村伸子
所属・肩書
日本共産党
発言要旨(要約)
懲戒について質問した。
原文抜粋
この懲戒権の削除に関しましてなんですけれども、児童虐待というのは起こる前に防がないといけないということが基本だというふうに思いますけれども、この法案の中では、身体的暴力である体罰の禁止とともに、児童の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動が禁止されているわけです。
(会議録 p.15)
大口善徳
所属・肩書
公明党
発言要旨(要約)
親権、嫡出、懲戒について質問した。
原文抜粋
今日は、御理解いただきまして質問させていただきます。ありがとうございます。 また、葉梨大臣、また門山副大臣、高見政務官、本当に大変期待をしております。葉梨大臣とはもう長年のおつき合いの仲で、特にこの法務行政に通暁されておりますので、大変期待しております。どうかよろしくお願いいたします。 まず、今回の改正では、もちろん、親権の行使、懲戒権の削除、非常に重要な課題であります。これは同僚議員が聞かせていただきます。そして、無戸籍問題を解消する、そのための嫡出規定の見直し、これを行うということでございます。
(会議録 p.17)
葉梨康弘
所属・肩書
法務大臣/自由民主党
発言要旨(要約)
嫡出について、手続負担の点を説明した。
原文抜粋
もうおっしゃるとおり、無戸籍の問題、国民でありながら戸籍という社会的基盤が与えられておらず、社会生活上様々な不利益を受けるという、人間の尊厳にも関わる重大な問題です。 法務省では、平成二十六年、ちょうど私が最初の副大臣をやったときだったと記憶しています、無戸籍者の徹底した実態把握、全国各地の法務局における丁寧な手続案内、そういった寄り添い型の支援というのを行ってまいりました。 しかしながら、このような支援による無戸籍問題の解消にはやはり限界があります。
(会議録 p.17)
大口善徳
所属・肩書
公明党
発言要旨(要約)
嫡出について、原則と例外の点を尋ねた。
原文抜粋
無戸籍者の解消に一定の効果は期待できると思いますが、ただ、法務省の民事局の調査、令和二年九月末時点によれば、無戸籍者で離婚後三百日以内に生まれた子のうち、母が離婚後三百日以内に婚姻しその後出生した者の割合は三五・八%ということで、限界があるというふうに言われております。 私も令和三年の三月の法務委員会でも御紹介させていただいたんですが、無戸籍問題に取り組んでおられる現場の弁護士から、無戸籍問題を根本的に解消するには、離婚後三百日以内に生まれた子を前夫の子と推定する現行法の規定を撤廃する必要がある、こういう御意見もいただきました。
(会議録 p.17)
大口善徳
所属・肩書
公明党
発言要旨(要約)
DV、嫡出について、裁判所の判断・手続負担・施行・運用の点を尋ねた。
原文抜粋
しかし、夫からDVを受けるなど、母は、加害行為を行った前夫と裁判で対面することによる心理的な負担を感じ、また、裁判を通じて自身や子の住所が前夫に知られることを懸念して、訴えを提起すること自体をちゅうちょする可能性があります。離婚に対する家事ないし裁判についても同様なんですね。このようなDVなどがある事案について、嫡出否認の訴えなどの手続を希望する方が不安に感じることなく権利を行使する仕組みが必要だというふうに考えます。
(会議録 p.17)
葉梨康弘
所属・肩書
法務大臣/自由民主党
発言要旨(要約)
嫡出について、手続負担・施行・運用に言及した。
原文抜粋
全く、大口委員、おっしゃるとおりでございます。 離婚後三百日の推定を維持する以上は、嫡出否認の訴えをしなければならないときに、それをちゅうちょをするようなことがないように、よく我々としても配慮していかなければいけないと思っています。 御指摘のありましたとおり、本年五月の民訴法の一部改正、これによって人事訴訟の手続についても、ウェブ会議による口頭弁論を行うことが可能とする制度が導入されました。
(会議録 p.18)
大口善徳
所属・肩書
公明党
発言要旨(要約)
審議中の論点について質問した。
原文抜粋
次に、前夫の否認権についてでございます。 改正後の民法七百七十四条第四項で、再婚後の夫の子と推定される子について、前夫にもその否認権の行使が認められています。前夫によるその否認権の行使は、前夫が再婚後の夫婦の家庭に介入することを認めるものであり、嫌がらせ目的で否認権を行使することも考えられます。また、前夫の否認権については、争いを複雑化させるとの懸念もあります。前夫の否認権を認めた理由をお伺いしたいと思います。 また、前夫の否認権は限定的に行使される必要がある。
(会議録 p.18)
金子修
所属・肩書
法務省民事局長
発言要旨(要約)
子の利益、嫡出について、裁判所の判断・子の利益の観点から見解を述べた。
原文抜粋
婚姻の解消又は取消しの日の後三百日以内に生まれた子であって母が再婚した後に生まれた子については、再婚後の夫の子と推定されることになりますが、前夫は、母がこのような再婚をしなければ子の父と推定されるべき地位にあること等を踏まえますと、再婚後の夫の子であるとの推定が事実に反し、実際には前夫が子の生物学上の父であるときは、前夫に子の法律上の父となる機会が確保されている必要があるものと考えられます。これが、再婚後の夫の子と推定される子について前夫に否認権を認めた理由です。
(会議録 p.18)
金子修
所属・肩書
法務省民事局長
発言要旨(要約)
養育費の定め方・確保に関する論点に触れた。
原文抜粋
子の出生のときから三年以内という原則的な出訴期間内には、事実上、子が自ら否認権を行使することができません。法務省が把握した無戸籍者の事案には、幼い頃に無戸籍状態を解消することができず、そのまま長期間が経過したといったものも相当含まれています。そのような事案において、子自身の判断によって嫡出否認の訴えを提起することができるものとすることが必要と考えました。
(会議録 p.18)
金子修
所属・肩書
法務省民事局長
発言要旨(要約)
嫡出について、施行・運用の点を説明した。
原文抜粋
現行法の下では、事実に反する認知、すなわち血縁関係がない者による認知は無効とされ、子その他の利害関係人が無効を主張することができるとされています。この規定については、主張権者が広範で、無効主張の期間制限もないことから、子の身分関係がいつまでも安定せず、嫡出否認の訴えについて厳格な制限を求められていることとの均衡を欠くとの問題点がかねてから指摘されていたところでございます。 そこで、認知された子の身分関係の安定を図るため、無効を主張することができる主張権者の範囲を、子、子の法定代理人、認知した者、それから子の母に限定しました。
(会議録 p.19)
葉梨康弘
所属・肩書
法務大臣/自由民主党
発言要旨(要約)
審議中の論点に言及した。
原文抜粋
この改正案で、先ほど申し上げましたとおり、相当程度の対応ができるようになるわけですけれども、やはり知識を持っていただくということも極めて大切なことです。ですから、御指摘のように、全てがこれで解決したんだというような立場は取りません。そうじゃなくて、やはりこれまでの寄り添い型の支援をしっかりと継続する、そういうような必要かつ可能な支援、これを行っていくということが大切だと思います。
(会議録 p.19)
金子修
所属・肩書
法務省民事局長
発言要旨(要約)
嫡出について、施行・運用の点を説明した。
原文抜粋
委員御指摘のとおり、改正法案による子や母による嫡出否認の規定につきましては、嫡出否認の訴えの提訴権者を拡大することにより無戸籍者の問題の解消を図るという見直しの趣旨に照らしまして、施行日より前に生まれたお子さんについても、一定の範囲で適用することとしております。 ただし、その場合には、同時に、身分関係の安定ということにも配慮する必要がありますので、施行日前に生まれたお子さんについては、施行日前から準備することが可能であるということも勘案しまして、子及び母の嫡出否認の訴えに関する規定を施行日後一年間に限って適用することとしております。
(会議録 p.20)
山田勝彦
所属・肩書
立憲民主党・無所属
発言要旨(要約)
参考人の指摘を踏まえ、法案上の論点を確認した。
原文抜粋
今回の民法の改正案、親の体罰を禁止し、子供の利益を守ることが明確化されました。また、女性が離婚後百日間再婚できないという理不尽な現行法を改め、再婚禁止期間が廃止されました。さらに、認知によって親子関係が一旦成立し、七年が経過した場合は、その認知を否定できなくし、子の権利や利益を保護しようとする前向きな内容になっています。全体として改正内容に賛成しております。 しかし、国際的な流れから逸脱する国籍法三条三項が新たに設けられました。ある日突然、父親だと信じていた人が父親でなかったという事実が判明した場合、日本国籍を失ってしまう。
(会議録 p.23)
沢田良
所属・肩書
日本維新の会
発言要旨(要約)
嫡出、懲戒について説明・答弁した。
原文抜粋
まず冒頭に、本日午前に開催いたしました参考人質疑における野党枠の貴重な参考人を一名欠員させてしまったことについて、本日参加されています全ての委員の皆様へ、この場をおかりしましておわび申し上げます。 また、御報告が遅れたことで、伊藤委員長、薗浦筆頭理事、寺田野党筆頭、委員部の皆様に多大なる御迷惑をおかけしましたことを重ねておわび申し上げます。大変失礼いたしました。 本日は、先日行われました衆議院本会議での葉梨法務大臣、永岡文科大臣に質問をさせていただきました際の御答弁いただいた内容、そして附帯する問題点について議論をしたいと思っております。
(会議録 p.26)
沢田良
所属・肩書
日本維新の会
発言要旨(要約)
懲戒について質問した。
原文抜粋
次に、学校教育法第十一条に規定する児童生徒の懲戒・体罰等に関する参考事例についてお伺いいたします。 これは、本会議でも取り上げました。文部科学省がホームページに掲載している児童生徒の懲戒、体罰等に関する参考事例では、認められる懲戒として、練習に遅刻した生徒を試合に出さずに見学させるなどが例示されておりますが、文科大臣によれば、心に深い傷を与えるような指導であれば、それは懲戒権の範囲ではないということでした。私は、正直、載っているものと、この大臣の答弁も含めて、この答弁によってまた学校現場は更に混乱していくのではないかと思っております。
(会議録 p.27)
簗和生
所属・肩書
文部科学副大臣/自由民主党
発言要旨(要約)
懲戒について説明・答弁した。
原文抜粋
懲戒を行うに当たりましては、当該事案の状況や児童生徒の発達段階等を考慮し、個別の事案に即した対応が求められており、文部科学省が一律に方針や懲戒の類型を示すのではなく、各学校が教育活動を行う中で必要に応じて行われるものであるというふうに考えております。 こうした観点から、参考事例につきましては、具体的な事案やそれを踏まえた教育効果を想定して懲戒の類型を示したものではなくて、学校現場での実践に当たり、通常、懲戒権の範囲内と判断されると考えられる行為について、あくまで例示として記載したものでございます。
(会議録 p.29)
沢田良
所属・肩書
日本維新の会
発言要旨(要約)
懲戒について質問した。
原文抜粋
次に、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの増員、今後の計画についてお伺いいたします。 今回の懲戒権の削除の趣旨については、本会議においても、葉梨大臣より、児童虐待の防止に向けた明確なメッセージを国民に向けて発し、児童虐待の防止を図ることにありますと御答弁いただきましたが、児童虐待防止に向けては、子供たちの通う学校での虐待の早期発見が重要な鍵となります。
(会議録 p.29)
鈴木義弘
所属・肩書
国民民主党・無所属クラブ
発言要旨(要約)
嫡出について、施行・運用の点を尋ねた。
原文抜粋
順次質問に入らせていただきたいと思います。今日も朝からお疲れさまでございました。 明治に制定された民法における嫡出推定の規定について、約一世紀を経て改正がなされた、法律案が上程されたわけですが、社会情勢の変化や家族観の多様化により改正法ができたと理解しています。 法律上の父子関係と生物学上の父子関係についてどう考えるべきか。最新の科学の知見を用いれば、生物学上の父子関係が高い確率で明らかになっている。これは午前中にもちょっと御質問申し上げたんですが、法律上の親子関係の在り方については、血縁主義でいくのか。
(会議録 p.30)
鈴木義弘
所属・肩書
国民民主党・無所属クラブ
発言要旨(要約)
嫡出に言及した。
原文抜粋
例えば、夫の子を懐胎することが不可能であることが明らかな場合やDNA鑑定の結果で生物学上の父子関係が明らかな場合に、親子関係は明らかと言えるわけですよね。このような場合にも嫡出推定が及ぶとすれば、これを排除するのには裁判に訴えなければ、アクションを起こさなければならないわけです、今回の法改正であっても。しかし、訴えを起こすというのは、やはり精神的にも経済的にも負担となるというふうに私も思うんです。
(会議録 p.30)
鈴木義弘
所属・肩書
国民民主党・無所属クラブ
発言要旨(要約)
審議中の論点について質問した。
原文抜粋
例えば、私たちが、私も車を運転しますから、免許証があります。免許証が身分証として広く一般に使われていますよね。 免許証を一番最初に取得するときに、住民票を持ってこいと。では、その住民票が正しいか正しくないかはよく分からない。だって、身分証明書がないんだから。でも、住民票を取ってきて免許証の申請。それで一回免許証を取得できれば、五年に一回、昔は三年に一回、免許の書換えは、その免許証が身分証みたいな形で、後から戸籍謄本を取ろうが住民票を取ろうが何を取ろうが、必ず市役所の人が、身分証明書はありますか、免許証はありますかといってお尋ねになる。
(会議録 p.31)
葉梨康弘
所属・肩書
法務大臣/自由民主党
発言要旨(要約)
嫡出に言及した。
原文抜粋
今回の民法改正、これは無戸籍を解消するために、そのネックとなっている再婚をした後の嫡出推定、そこら辺も直したり、あるいは再婚禁止期間をなくしたりというようなことをやらせていただいているんですが、やはりそれだけで全ての無戸籍が解消するというわけではないと認識しています。 今おっしゃられたように、しっかりとアンテナを広くして、それも、しかも関係機関がしっかり連携をしながら、寄り添った対応をしていく。そのためには実態把握というのが非常に大切です。
(会議録 p.31)
本村伸子
所属・肩書
日本共産党
発言要旨(要約)
参考人の指摘を踏まえ、法案上の論点を確認した。
原文抜粋
まず、懲戒権の削除の関連でお伺いをしたいというふうに思います。 この懲戒権の削除については、長年求められてきたことで、例えば、二〇一一年の民法と児童福祉法の改定のときも、虐待する親の口実に使われているということなど指摘が相次いで、日弁連の皆さんや運動団体の皆さんや、そして私ども日本共産党も削除を求めてまいりましたので、この点は評価をしております。 先ほども参考人質疑の中で指摘をさせていただいたんですけれども、やはり、子供への虐待というのは、未然に防ぐということが一番大事だというふうに私は考えております。
(会議録 p.32)
一次資料
ローカルPDF正本(作業用):`国会審議/第210回国会 衆議院 法務委員会 第5号 令和4年11月8日.pdf`
→ 国会審議(令和4年改正) / 親子法制部会