法制審議会 民法(親子法制)部会 第15回(令和3年4月20日)

会議日

目次

開催概要

  • 開催日:令和3年4月20日
  • 議題
  • ヒアリング(懲戒権の見直し関係)
  • ヒアリング(無戸籍者問題関係)
  • 部会長:大村敦志(学習院大学法科大学院教授)
  • 開催形式:法務省大会議室及びWeb会議方式による開催

第15回のポイント

第15回会議では、中間試案の公表後、制度改正の参考とするためのヒアリングが実施されました。前半では懲戒権規定の見直しをテーマとして、児童心理治療施設、児童精神医学、障害児支援の専門家から、体罰が子どもの発達や親子関係へ及ぼす影響、保護者支援の重要性について意見が述べられました。

いずれの参考人からも、体罰には教育的効果が乏しく、子どもの人格形成や心理発達に深刻な悪影響を及ぼすこと、体罰を防止するためには法改正だけでなく、保護者への継続的な支援体制の整備が不可欠であるとの共通した認識が示されました。

主な論点

  • 懲戒権規定の見直しと体罰禁止
  • 体罰が子どもの心理・発達へ及ぼす影響
  • 心理的虐待と言葉による暴力
  • 障害児家庭への支援体制
  • 被虐待児への心理治療
  • 保護者支援と地域による子育て支援
  • 発達障害児への早期支援

主な参考人・委員の発言

発言見出しは人物ページへリンクしています。要旨は短い整理です。全文は一次資料(議事録PDF)を参照してください。

この回の発言者(人物)

北川聡子参考人

所属・肩書

社会福祉法人麦の子会 総合施設長

発言要旨

障害のある子どもの発達支援では、訓練よりも安心できる生活環境や親子関係の形成が重要であり、一人ひとりの特性に応じた支援が必要であると説明しました。

また、障害児の保護者は精神的負担が非常に大きく、育児不安や孤立から虐待リスクが高まることも少なくないため、子どもだけでなく保護者へのカウンセリング、ペアレントトレーニング、24時間相談体制、レスパイト支援など包括的な家族支援が不可欠であると述べました。

さらに、体罰は障害の有無にかかわらず子どもの発達や親子関係へ深刻な悪影響を及ぼし、暴力の連鎖を生むため認められるべきではなく、社会全体で子育てを支える仕組みが必要であると強調しました。

編纂メモ(運営の評価ラベルではない)

  • 体罰禁止を支持
  • 保護者支援を重視
  • 地域全体による子育て支援を提唱
  • 障害特性に応じた支援を重視

井上真参考人

所属・肩書

社会福祉法人横浜博萌会 横浜いずみ学園園長

発言要旨

児童心理治療施設では、現在入所する子どもの多くが虐待を経験しており、医療・心理・福祉・教育の各専門職が連携して支援していると説明しました。

虐待を受けた子どもは親子関係を施設内でも再現しやすいため、担当職員だけでなく複数職員が支える体制が重要であり、施設全体で暴力を許さない環境をつくることが再虐待防止につながると述べました。

また、暴力的行動を示す子どもへの対応では、体罰ではなく安全確保やタイムアウト、複数職員による介入など専門的対応を行うことで、子どもの安心感を維持しながら支援できると説明しました。

編纂メモ(運営の評価ラベルではない)

  • 体罰禁止を支持
  • 暴力の連鎖防止を重視
  • 専門的支援体制を重視
  • 多職種連携を重視

奥山眞紀子参考人

所属・肩書

日本子ども虐待防止学会理事長

発言要旨

懲戒権の見直しについては、親の権利だけでなく子どもの権利を明確に位置付ける必要があると述べました。

また、体罰は教育的効果が乏しいだけでなく、子どもに恐怖心や心理的外傷を与え、適切なしつけを妨げると説明しました。さらに、暴力だけでなく人格否定や脅迫など心理的虐待も同様に深刻な影響を及ぼすため、身体的体罰だけではなく心理的苦痛を与える罰についても禁止対象とすべきであるとの考えを示しました。

編纂メモ(運営の評価ラベルではない)

  • 体罰禁止を支持
  • 心理的虐待の禁止を重視
  • 子どもの権利の明文化を提案
  • 子どもの尊厳を重視

棚村政行委員

所属・肩書

早稲田大学教授

発言要旨

障害児支援について、発達障害が早期に発見されず家庭内の葛藤や離婚問題へ発展する事例が少なくないことを踏まえ、発達障害の早期発見の方法や、発達障害の特性を有する保護者への支援の在り方について質問しました。

編纂メモ(運営の評価ラベルではない)

  • 発達障害の早期支援を重視
  • 保護者支援の充実を重視

北川聡子参考人(質疑応答)

所属・肩書

社会福祉法人麦の子会 総合施設長

発言要旨

発達障害については、現在では乳幼児健診や5歳児健診などを通じて早期発見が進みつつあると説明しました。

また、発達障害のある保護者も少なくなく、子どもだけではなく保護者一人ひとりの特性に応じた丁寧な支援が必要であると述べました。

さらに、発達障害があっても安心して子育てができる社会や、支援を受けることへの心理的抵抗を軽減する環境づくりが重要であると説明しました。

編纂メモ(運営の評価ラベルではない)

  • 発達障害への早期介入を支持
  • 保護者への個別支援を重視
  • 社会全体の理解促進を重視

水野紀子委員

所属・肩書

白鷗大学大学院法務研究科教授

発言要旨

障害児支援では、支援を必要とする保護者ほど支援を受けることに抵抗を感じる場合があるとして、どのように支援へつなげるべきか質問しました。

また、虐待を受けている子ども自身が家庭以外の逃げ場を認識できるようにするためには、どのような取組が必要かについても質問しました。

編纂メモ(運営の評価ラベルではない)

  • 支援へのアクセス向上を重視
  • 子どもの安全確保を重視

北川聡子参考人(再答弁)

所属・肩書

社会福祉法人麦の子会 総合施設長

発言要旨

支援を拒否する保護者に対しては、保健師や先輩保護者が継続的に寄り添い、「一人ではない」という安心感を持ってもらうことが重要であると述べました。

また、虐待を受ける子どもを守るためには、保育士や教育関係者など子どもに接する周囲の大人が虐待のサインを早期に発見し、地域全体で支える仕組みを構築する必要があると説明しました。

編纂メモ(運営の評価ラベルではない)

  • 継続的な伴走支援を重視
  • 地域全体による虐待防止を重視

第15回前編の特徴

第15回前編では、制度論ではなく、実際に子どもや家庭を支援している専門家から現場の経験に基づくヒアリングが行われたことが最大の特徴です。体罰の是非だけでなく、体罰を生み出さないための親支援、障害児支援、児童心理治療、地域による子育て支援など、多面的な視点から議論が行われました。

特に、「体罰を禁止するだけでは十分ではなく、保護者への支援体制を同時に整備する必要がある」という点について、三人の参考人に共通した認識が示されたことが、このヒアリングの大きな特徴となっています。後半では、無戸籍問題の当事者及び支援者へのヒアリングが実施されました。

sourcesから追記した発言

運営の評価ラベルは付けません。

佐藤隆幸幹事

所属・肩書

法務省民事局参事官

発言要旨

法務省民事局参事官の佐藤でございます。今回から本部会に事務当局として関与させていただくこととなりました。皆様に御指導いただきながら精一杯役目を果たしてまいりたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。では,部会の開催方法についての御説明でございます。

(PDF p.2)

山本恒雄委員

所属・肩書

社会福祉法人恩賜財団母子愛育会愛育研究所客員研究員

発言要旨

井上さんにお伺いしたいと思います。現場でいろいろ御苦労されているお話がありましたけれども,私自身にも経験があるのですけれども,暴れている子どもを押さえる力の行使ですね,この力の行使と暴力の境目は,親子の間ではとても難しい問題だと思うのです。

(PDF p.16)

窪田充見委員

所属・肩書

神戸大学大学院法学研究科教授

発言要旨

私も長谷川先生に一つ御質問をさせてください。長谷川先生の今日のお話というのは,具体的な実践的な問題を解決するという観点が色濃かったと思いますが,それと同時に嫡出推定制度とか嫡出否認という仕組み自体を基本から見直すという側面もあったのだろうと思います。

(PDF p.35)

大森啓子幹事

所属・肩書

弁護士(第二東京弁護士会所属)

発言要旨

今日お話をしてくださいました皆様,大変にありがとうございます。最初にお話を伺いましたAさん,Bさんご夫婦,それと3番目にお話を伺いましたCさん,それぞれに質問させていただきたいと思います。まず,1点目についてはAさん,Bさんご夫婦への質問です。

(PDF p.38)

一次資料

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