会議日
開催概要
- 開催日:令和元年7月29日
- 議題:民法(親子法制)の見直しについて
- 部会長:大村敦志(東京大学教授・民法学者)
- 部会長代理:窪田充見(神戸大学教授・民法学者)
第1回のポイント
第1回は制度改正の方向性を決める会議ではなく、部会の発足に当たり、今後どのようなテーマを議論していくかを共有するキックオフ会議として開催されました。
法務省からは、今回の諮問の背景として次の2点が説明されました。
- 児童虐待対策として、民法の「懲戒権」規定を見直すこと
- 無戸籍問題の解消に向けて、嫡出推定制度を見直すこと
また、これらに関連する事項についても必要に応じて検討対象とすることが示されました。
主な論点
- 懲戒権(民法822条)の見直し
- 児童虐待と体罰禁止
- 嫡出推定制度
- 無戸籍問題
- 今後の審議スケジュール
委員の発言
発言見出しは人物ページへリンクしています。要旨は短い整理です。全文は一次資料(議事録PDF)を参照してください。
この回の発言者(人物)
磯谷委員
所属・肩書
弁護士(家族法・少年事件などを専門)
発言要旨
平成23年改正では懲戒権の削除が見送られたが、その後も重大な児童虐待事件が続いていることから、今回は削除すべきと主張。
懲戒権は裁判実務ではほとんど機能していない一方、虐待を行う親が「懲戒権だから正当だ」と主張する根拠として利用されることがあると指摘した。
児童虐待防止法の体罰禁止と合わせ、社会に明確なメッセージを示すためにも懲戒権規定は削除すべきとの考えを示した。
編纂メモ(運営の評価ラベルではない)
- 懲戒権削除に賛成
- 児童虐待防止を重視
棚村委員
所属・肩書
早稲田大学教授(家族法・比較家族法)
発言要旨
磯谷委員の意見に賛同し、スウェーデンやドイツなど海外の立法例を紹介。
懲戒権という概念自体を削除することには象徴的な意味があると評価する一方、「しつけ」と「虐待」の境界については今後も整理が必要と述べた。
また、無戸籍問題については、300日問題だけではなくDVやストーカー被害など複数の要因があり、民法だけではなく戸籍法上の制度改善も検討すべきと提案した。
編纂メモ(運営の評価ラベルではない)
- 懲戒権削除に賛成
- 比較法を重視
- 無戸籍問題は総合的な制度改革が必要
sourcesから追記した発言
運営の評価ラベルは付けません。
窪田充見委員(のち部会長代理)
所属・肩書
神戸大学大学院法学研究科教授
発言要旨
私自身も,磯谷委員,棚村委員と前提認識が違うということではないと思いますし,体罰が許されないということを明らかにするということについても,多分共有されていると思うんですが,ただ,その上で,親権制度部会の時点で懲戒権の規定を削除していたら,それだけで終わったではないかという気もするのですが,現時点で一番明確なメッセージとなるのが,懲戒権に
(PDF p.17)
垣内秀介幹事
所属・肩書
東京大学大学院法学政治学研究科教授
発言要旨
今出されていた御議論はいずれも,もっともなところがあるかと思います。ただ,前提としまして,現行の規定が一体何を規定していて,それを削除するというこ
(PDF p.19)
山根香織委員
所属・肩書
主婦連合会常任幹事
発言要旨
懲戒権の規定の削除というのは,大きく理解できるものなんですけれども,やはりメッセージの出し方ということにおきましては,かなり慎重に議論して,まとめていく必要があると思っています。…今以上に親の育児への負担というか,不安が増したり窮屈にならないように,今の親たちの育児が望ましくできるようにという配慮が必要かと思って聞いていました。
(PDF p.20)
井上久美枝委員
所属・肩書
日本労働組合総連合会総合政策推進局総合局長
発言要旨
働く者の立場からということで,発言をさせていただきたいと思います。連合は労働組合として,子どもの人権が守られている社会,希望する誰もが安心して子どもを産み育てられる社会を目指して,運動を展開してまいりました。
(PDF p.20)
中田裕康委員
所属・肩書
早稲田大学大学院法務研究科教授
発言要旨
方向は大体同じだろうなと思っているんですけれども,実際に規定を作る上では,やはり違いが出てくるかもしれません。…体罰を禁止するということを民法の中でも明示するということについて,恐らく,御意見は大体一致しているのではないかと思うんですが,それだけを果たして置けるのか。その前に何かがあって,…その何かについての書き方が難しいのかなというふうに理解いたしました。
(PDF p.23)
大森啓子幹事
所属・肩書
弁護士(第二東京弁護士会所属)
発言要旨
せっかくの見直しということでもありますので,改めて親子関係,法的な親子関係の根拠を何に求めるのかという出発点をきちんと確認をさせていただいた方がいいのかなと思っております。…場当たり的な結論,この場合はこうしましょう,この場合はこうしましょうというものではなく,きちんと一貫したものに作り上げていくことが重要ではないかと思います。
(PDF p.27)
水野紀子委員
所属・肩書
白鷗大学教授
発言要旨
明治民法が嫡出推定規定を立法して,それからずっと我々の社会は,嫡出推定という制度をまがりなりにも運営してはきたのですが,日本人の感覚からいいますと,…親子関係というのは血縁だという意識が,ずっと強かったように思います。…嫡出子,非嫡出子の身分については,手を入れなくてはならないと思います。それから,そもそも嫡出,非嫡出という言葉自体を,この際変えることができれば,それもその方がいいと思っております。
(PDF p.29)
髙橋良委員
所属・肩書
弁護士(神奈川県弁護士会所属)
発言要旨
そのような医療を行うということを父親が承認していた,同意という言葉を使っていますけれども,同意していた場合には,後になって,これは自分の子でないといえないよと,そういうようなことが,中間試案では作られていたわけですけれども,今回,嫡出推定制度を見直すに当たって,例えば,母親に嫡出否認権を認める話が,どう
(PDF p.26)